2025年5月下旬。この日は、大学時代の先輩・後輩と3人での山行。高所感と岩稜歩きをしっかり楽しむことを目的に表妙義縦走へ入った。表妙義縦走は、一般登山道の中では難易度が高いルートのひとつとして知られており、鎖場や切れ落ちた岩稜が連続する。事前に情報を調べると「危険」「怖い」といった言葉も多く見かけるが、実際には経験と注意次第で印象は大きく変わる山域だと感じた。
天候と全体のコンディション

天候は曇り。終日快晴とはいかなかったものの、時折雲が切れて視界が開けるタイミングがあり、眺望は十分に楽しめた。気温も高すぎず低すぎず、行動中に暑さや寒さを意識する場面はほとんどなかった。岩場を登り続けるには、ちょうど良いコンディションだったと思う。
ルート上で印象に残ったポイント
事前に難所としてよく名前が挙がるのが、鷹戻しや二段ルンゼといった区間だ。今回はそれらを意識して慎重に入ったこともあり、特別に危険を感じる場面はなかった。高度感はあるが、ホールドや鎖を冷静に使えば、スリルを楽しめる範囲に収まっていた印象だ。岩そのものも滑りにくく浮石も少ない印象で、3点支持など基本的なことが意識できていれば通過には問題ない。カメラやスマホの墜落には要注意。
一方で、より怖さを感じたのは天狗岳から先の稜線だった。やせた岩稜で、つかまるものが少ない箇所があり、「ここでバランスを崩したら終わる」という想像がリアルにできてしまう。特に登山者が多い時間帯は、すれ違いのタイミングが緊張感を高める(追い越しは広い場所まであきらめること)。技術的な難易度以上に、集中力が求められる区間だと感じた。

装備面で感じたこと

鎖場が連続するルートでは、滑りにくい手袋があると安心感が大きく違う。岩をつかむ場面でも余計な力を使わずに済む。また、登山者が多いルートでもあり、落石のリスクを考えるとヘルメットは必須だと感じた。実際に「万一」を想定できる装備があるだけで、行動中の精神的な余裕が変わる。
個人的にはロープやハーネスなどといった確保具は必要ないと感じたが、これはその人個人の腕力・筋持久力・体力・経験との相談だろう。長い鎖も多いので、一時確保して腕を休める、という使い方ができれば安心感も増すと思う。しかし、鎖場途中での確保が必要な方にはそもそもこの山はお勧めとは言えない…
実際に、ツアーと思われる高齢の方で、鷹戻しのとりつき3mほどのところで体が上がらなくなり、落ちてしまったところを目撃した。ロープで確保されていたからよかったものの、結局自力では登れずにロープでの引き上げを行っていた。そこのガイドの方は「そこが一番難しいから、そこさえいければ何とかなる!」と励ましていたが、表妙技の縦走に挑む際には自身の腕力と筋持久力、体力をよく鑑みるべきだろう。私自身にとってもよい戒めとなった。
表妙義縦走を歩いて感じたこと

表妙義縦走は、いわゆる安全登山という言葉がそのまま当てはまるルートではない。鎖場が多く、行程もきつめで、初心者に気軽に勧められる山ではないと思う。一方で、ある程度経験を積んだ登山者にとっては、高所感や岩稜歩きの魅力を凝縮して味わえる貴重なルートだ。
怖さと面白さが紙一重で続くからこそ、一歩一歩を丁寧に進む感覚が研ぎ澄まされる。そうした時間そのものが、この山行のいちばんの収穫だった。











天狗岳・顔面岩・妙義山(相馬岳)・東岳・中之岳 / akiさんの活動データ | YAMAP / ヤマップ

コメント